20年間、オーロラを撮影してきた中垣が
オーロラ撮影のテクニックや
カメラ機材などに関する
独自のノウハウをお伝えします
 
 
2023年8〜9月の5週間にわたる
カナダ・ユーコン準州でのオーロラ取材で使用するレンズ
すべてSIGMAレンズですが
明るくて高画質という観点では
驚異的な性能を持つからです
 
特に新製品の14mm F1.4は
異次元の世界を記録するはずです
 
 
 
 
 

 
 

到着しました!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 
2023-07-02 15:26:45 テーマ:撮影・カメラ機材
「世界初」がお嫁に来ました!
 
 
 
 
超広角14mmにもかかわらず、
F1.4という異次元な明るさを実現してしまったということ。
 
それはオーロラを撮影する者にとっては最強の武器となるでしょう。
 
 
 
 
その魅力的なまなざしは、
暗闇を超広角に見つめられる、ずば抜けた能力があります。
 
これからたくさんのオーロラの輝きをとらえてくれるでしょう。
 
 
 
 
 
 
画質はまだ確認していませんが申し分なしということでしょう。
オーロラを撮る私としましては、
そこまで画質を良くしなくてもいいと思うくらい、
高品質なのだと想像します。
 
 
 
 
 
 
動くオーロラを写真で撮影する、
または動画で撮影するためには、
レンズの明るさが物を言います。
 
一絞り明るい=劇的に描写ポテンシャルが上がります。
 
一絞りは実に大きいのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
暗闇で繊細な輝きでうごめくオーロラを撮影するには、
カメラのセンサーの高感度性能はもちろん最重要です。
 
画素数が少ない(低解像度)ことによって、
ノイズが少なくなる(高ダイナミックレンジ)特性がある。
 
わかりやすく言いますと
「暗闇を撮影した際の色の良さ」です。
 
 
 
 
ちなみにカメラのセンサーは進化を成し遂げてきましたが、
現時点ではテクノロジーはほぼ頭打ちだと思います。
 
今後、「一絞り分も進化」することは、
かなりハードルが高いのだと思います。
 
現状では最も高感度特性に優れるSONY α7S IIIも、
2020年7月の発売から3年で、後継機に大いに期待はしていますが、
来年2024年かその翌年にリリースされると予想しますが、
一絞り分高感度に進化できるか微妙かと思います。
(SONYさん、期待しています!喉から手が出ていますけど)
 
 
旧式の24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACROにて撮影
 
 
 
 
 

 

 
 
 
2024年3月
中垣哲也と行く 極北のカナダ 
クルアニ・ロッジ滞在とオーロラ8日間の
(アルパインツアー 企画 ・主催)
参加者様がiPhoneで撮影されたオーロラの写真をご紹介します
 
 
 
【 iPhone 11 pro max 】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【 iPhone 12pro 】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
5週間の間、毎日のように北の空にレンズを向けて待ち続けました。
 
 
 
日が暮れる。さあ、スタンバイ完了!
 
・・・
 
5週間の取材で、撮影に関わる内容を公開します。
特に企業秘密はありませんが、オーロラを狙っている、
撮影してみたい方には参考になると思います。
 
 
天頂(画面上)に流れる天の川銀河にカシオペアがいますね。
あー、気持ちいい。
 
5週間の間、ほぼ毎晩のように見てきた光景です。
 
あ、ところで、肝心な北極星はわかりますよね?
 
 
 
無意識に北斗七星の方角、北の方に意識が向きます。
 
慣れてくると、
北極星より若干東側にオーロラダンスの中心がずれていることも
身につき、眺める方角も自動修正するようになります。
 
見知らぬ土地に行っても、
星が見える前からオーロラが登場する方向が感覚的にわかるようになる・・・野生の勘が戻ってきた??
 
ここまで感覚が修正された人は、
よほど滞在時間が長いマニアですね。
(クレイジーかも)
 
 
今回の取材期間は2021 8/26 - 10/3
現地の極北では秋から初冬を意味します。
 
実際にオーロラに逢えるチャンスは 35日間ありましたが、
その間ずっと活躍してくれた機材たちはなんとも頼もしく、
またかわいいものです。
 
 
 
 
長年お世話になった Canonから、
今回から新しく Sonyのボディに切り替わりましたが、
理由は以前のブログにくどくどと特集したように、
私がオーロラの爆発を動画で録る!という方針に切り替えたからです。
 
進行した肝臓がんと闘いながら、
2019年の取材ツーに同行された仙台の佐藤信さんが、
私にオーロラの動画撮影を導いてくださいました。
天国の故人に感謝しています。
 
 
 
 
<メインカメラボディ>
 
Sony α 7 s Ⅲ 3
 
オーロラを動画で撮影するミッションを任すのは、
このボディがベストであることを検証しました。
 
私としましては後継機が登場するまでは
3台と苦楽をともにすることになりそうです。
 
 
 
オーロラの撮影は暗闇の中でうごめく繊細な光です。
ボディの高感度特性と同様に、
レンズの明るさ F値が極めて重要です。
 
 
<レンズ>
 
オーロラ撮影用メイン
 SIGMA 35mm  F1.2 DG DN
 SIGMA 20mm F1.4 DG DN
 Sony FE14mm F1.8 GM
 
3台のカメラには、ルーティーンでこれら 3本がセットされます。
 
今回の取材の目的は「オーロラ爆発を動画で記録する」でしたので、
とにかく少しでも明るいレンズが一番活躍しました。
 
意外に思われると思いますが・・・
 
F1.2とF1.4の違いは歴然でした。
少しでも明るい方が大きく有利になる感じです。
 
F1.8の方は「月明かり +爆発」のように極端に明るくないと
動画記録に及びませんでした。
 
動画撮影においてファインダーで確認する限り、
SIGMA 35mm F1.2 DG DN の品質は驚くほど優れており、
SIGMA 20mm F1.4 DG DN とは次元が違って見えます。
 
よって、本取材で最も動画記録で活躍したレンズは8割が
SIGMA 35mm F1.2 DG DN  となりました。

現状でオーロラ撮影(動画)に
最もポテンシャルが高いレンズと言えるでしょう。
これからオーロラの動画に挑戦される方にはイチオシです。

また、どれほどセンサーが高感度でも、
F2.0より暗いレンズでは、動画は前提にしない方が良いです。
 
ISOは5万ほど上げてしまうと、ノイズが多く、
もはやきれいという映像にはなり得ないと思います。
今回、私の感度設定は
ISO560032,000をリミットにして撮影しました。
現時点ではまだ動画を検証していませんが、
あらためて感度がどこまで耐えられたのか?
リポートしたいと思います。
 
 
 
 
<控えレンズ>
 
出番は少ないですが状況に応じて、控え選手も登場あります。
 
 SIGMA 8mm F3.5 EX DG CIRCULAR FISHEYE
 SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE
 SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM
 
プラネタリウム投影用に魚眼レンズも多用したいところですが、
ダイナミックに動くオーロラには暗すぎて露出時間が長くなり、
ほぼ出番はありません。
SIGMAさんに新しく明るい魚眼レンズの開発を懇願しています。
(もう 15年くらい前から何度も!)
 
 
 
 
 
<望遠レンズ>
 150-600mm F5-6.3 DG DN OS
 
おもしろいくらいにアグレッシブな開発を続ける
SIGMAさんから発売されたばかりの New Face
高性能化 +コンパクト化 +軽量化を徹底的に追求した望遠ズーム。
海外取材では、機材の軽量化 +軽量化は最重要視しますが、
それが解決しました!
特に一番引っ張った 600mm側での
性能を重視したといううれしい設計です。
機材の多い私のためにつくってくれた?笑 
もう一生手放せません。
 
 
ホッキョクジリス。
なにやらごそごそやっている私に挨拶に来てくれました。
 
野生には簡単に近づくことができないので、
アラスカでは 600mmまでのレンズが重宝します。
 
・・・
 
5週間の間、夜、特に明け方は、ほぼマイナス気温まで下がりました。
 
取材後半には、明け方の気温はマイナス 15℃を下回ることも。
一晩超すとご覧の通り。
   ↓
 
実際はクロスをかけて、少しでも保温していますが、
一晩経つとドライアイスのようになってしまいます。
 
 
カメラバッグにも霜が降りる。
気温がマイナスになった証し。
 
 
レンズに霜がつかないようヒーターは必需品。
 
 
ヒーターのバッテリーはモバイルバッテリーだが、
3,000円くらいから使える商品が存在。
複数必要なので助かる。
 
 
カメラ本体にも給電出来るのは魅力。
 
 
オーロラを待っているときに、
カメラ本体の電源がオフ(オートパワーオフ)になると
給電が始まる仕組み。寒いところではありがたい機能。
 
 
 
<三脚・雲台>
 
以前は自由雲台だけで足りていましたが、
動画を録るにはビデオ雲台が必要。
3台とも違う仕様は、暗闇で混乱するため、
明るい日中の内にリハーサルをします。
 
 
 
 
動画に挑戦するため
撮影ミニクレーンとスライダーも導入。
 
 
 
 
ツンドラの大地を地面から
3mくらいまで視点を動かす(上げる)想定のセッティング。
 
 
 
 
草木の合間をゆっくりとスライド、
水面が開けてくるセッティング。
 
 
 
<撮影データ量>

撮影データ  2.5 TB
動画データ  1.3 TB


<撮影枚数>

・アラスカ  32,000
・ユーコン  48,000

滞在日数が多いユーコンでチャンスが多かったので、
写真枚数も多いですが、動画データも同様です。
 
 
 
 
 
 
SDXCカード>
 
ハイビットレート動画を記録可能なハイスペックなカード
 
Kingston 128GB 300MB/s UHS-II V90  合計6枚
(各ボディに2枚づつセット)

カードリーダー 2
 

<ストレージ>

メイン  SSD 2T  4
サブ  HDD  2T  2
 
 
次回の取材は来年 20222月と 3月の予定。
当然真冬の装備が必要になるので、
さらに荷物の見直しが必要になりそう。
撮影ミニクレーンやスライダーは持って行けないが、
3台撮影体制は崩せない。
 
明るいレンズとして、 F1.2のレンズ 50mmが存在するので、
動画撮影用として戦力に加えたいものだ。
 

取材協力:株式会社シグマ
 
引き続き
「オーロラはどの辺に発生したか5週間を分析」もご覧ください。
 
 
 
 
前の記事にも書きましたが、
オーロラの最高の見せ場は「オーロラ爆発」といって、
経験されていない方にはまず信じてもらえない程のダイナミックさ
(動く速度が驚異的に速い)なのです。
 
これが、本当に自然現象なのか!?って。
 
 
 
 
f1.8 ISO10,000  1/8sec・・・こんな条件では止められません。
ブレブレなんです。
 
爆発時、普段のオーロラよりは、
輝き方(光の強さ)も100倍、1000倍と爆発的に増しますが、
動きも100倍、1000倍とスピードアップします。
動きを止めようとシャッタースピードを速めると露出不足となり、
また、シャッタースピードを長めにすると、
途端にブレてしまって、絵になりません。
 
すなわち、もはや写真にはとらえられる対象ではなく、
指をくわえて見ているしかないのです。
 
しっかり脳裏に焼き付けることは最優先されるべきですが。
 
目の前の脅威を、何が何でも記録したい人間にとっては、
これほどに悔しいことはありません。
 
 
 
 
今までの感度のカメラ機材では、
オーロラ最高のショータイムの瞬間は、まったくといっていいほど、
太刀打ち出来ないのです。
 
 
では、今まで動画撮影では録れなかったのか?
 
動画というのは、通常1秒間に30フレームを記録するわけですが、
それだとまったく露出不足で暗くて、
ISO設定をグンと上げるとノイズに埋もれてしまいます。
人様に見せられる程ありがたい映像は録れませんでした。
 
「オーロラ爆発を動画できれいに録る!」これが私の悲願です。
 
いよいよ、実現の可能性があるかも?
 
そう考え始めたのが、昨年2020年のSONYα7s IIIの登場です。
 
前に特集したとおりに、超高感度に特化され、
しかも、動画撮影において、他社製品に一線を画すぞ!
そんな意気込みをひしひしと感じさせます。
 
一方、私が長年お世話になったCanonの新鋭 EOS R6は、
フラッグシップ機EOS 1-D X Mark IIIと
同等のセンサーと映像エンジンを積んでおり、
また有効画素数も抑えられていて、
超高感度領域では、過去とは次元の違う動画が録れるかもしれない。
 
そこで写真画質の比較に続いて、
超高感度領域の動画もチェックしました。
比較しやすいように、残酷とも言える程過酷な環境で。
 
 
 
 
被写体は、夜、真っ暗になったわが家の壁のオーロラパネルですが、
高演色ランプを間接的に灯しますが、
ほぼ肉眼では何も見えない程に暗い状況下。
一言で言うと、真っ暗。
 
実際のオーロラの現場でも、
これほどに暗い状況ではまず撮影しないほどの暗さ。
センサーの超高感度領域の差が出やすいことを狙っています。
 
オーロラ爆発のダイナミックさは、あまりに早く、
通常の30フレーム/secでは太刀打ち出来ないとも言われていて、
60フレームで試しました。しかも4Kです。
私の頭の中では、すでにオーロラ爆発の動画は
4K/60フレームが撮影前提となっています。
 
SONYα7sIII vs Canon EOS R6
 
全開の写真のテストと同じように、
全く同じ被写体を、同じ条件で、同じSIGMA製レンズで撮影。
 
4K
60フレーム/sec
SIGMA Art 35mm F1.4 解放
 
ISOのみを変化させ動画を撮り再生、
ポーズ状態でキャプチャーしました。
 
オート撮影ではないので、明るさが変わります。
 
 
ISO 12,800  
 
 
 
ISO 16,000
 
 
 
ISO 20,000
 
 
 
ISO 25,600
 
 
 
ISO 32,000
 
 
 
ISO 40,000
 
 
 
ISO 51,200
 
 
 
過酷な暗闇テストですので、
一番上のISO12,800からR6の方にノイズが顕著です。
そもそも、これほどの暗闇を
実際のオーロラで撮影することはまずないでしょう。
あくまでも両機の超高感度領域の比較ですのため、
真っ暗を録っています。
よって、どの感度付近まで使用できるかどうかは未知数です。
 
 
○○○○○ まとめ ○○○○○
 
オーロラを動画で録れるかどうか?という観点から、
超高感度を持つ2台の先鋭を比較しました。
 
オーロラ動画でおおいに期待される超高感度領域を、
実際のオーロラの現場より遙かに暗い状況(真っ暗に近い)で
4K動画撮影(60フレーム/sec)と厳しい環境で行い、
ダイナミックレンジやノイズ、質感などを単純比較しました。
 
SONYα7s III vs Canon EOS R6
 
■ 私の印象ですが、両機ともオーロラを動画で録れます!
明るめのオーロラは問題ないでしょう。
理由は、今回のテスト環境が真っ暗に近い環境で、
ノイズや質感の違いはあっても、どちらもきちんと色を見極めています。
実際にオーロラを撮影する現場は遙かに明るいので、
R6でも十分に出番はあると予想します。
 
■ ISO 12,800〜50,000のすべてにおいて、
α7s IIIのダイナミックレンジの優越は明確であり、
より高感度領域においても、質感も崩れにくく頑張っている印象。
深度の深い情報を持っている印象。
 
■ 私としては、今後アクティブ(輝きが強め)なオーロラは、
すべてα7s IIIで動画撮影することになりそうです。
非常にダイナミックな爆発時は4K+60p(ISO25,600付近か?)も
夢ではなさそう。
通常のオーロラは、それほど動かないので30pで十分です。
 
■ R6でも、オーロラ爆発のように光量が多くなるシーンでは
十分に動画撮影が可能と思われるます。
もし光量が足りない場合には、
60p→30pに、また4K→フルHD(2K)にすることで
十分質を保つことが出来そうです。
ただし急激に明るさを変える場合には慣れが必要で、
現場でいきなり対応が出来るか、事前の練習が必要と思われます。
 
・・・
 
写真と動画と、超高感度における比較を行い、
結果としてSONYα7s III が
オーロラ撮影に最もポテンシャルを持っていると判断しました。
 
15年もEOSデジタルを愛用してきましたが、
今後はアグレッシブにα7s IIIを駆使したいと思います。
 
 
 
 
 
現在、オーロラを撮影するのに、
最もポテンシャルの高いカメラはどれか?
 
「オーロラを撮影するなら!」という観点でテストしました。
 
ベストな機材が、これからの私の重要なパートナーになります。
(容赦なく浮気すると言うことです)
 
 
 
それにしても、オーロラの撮影は過酷です。
 
 
オーロラは、
夜空という暗闇の中で繊細(わずかに)に光ります。
 
 
撮影するべきショータイム(オーロラが活動的な時)には、
輝きは強くなりますが、
反面、驚くほど動きも速くなり、
オーロラの動きを止め、シャープに撮るためには、
シャッタースピードを相当短くしなくてはならず、
結果的に超高感度が要求されます。
 
 
特にオーロラ爆発という最大の見せ場は、
なんとしてもきれいに撮影したいものですが、
あまりにもダイナミック(高速)なために、
写真撮影では全く歯が立たないのが実情。
 
ほんとうに悔しい・・・。
 
 
EOS-1D X Mark II SIGMA Art 20mm F1.4 
1/6sec ISO 8000
2019.09.01-ALASKA
 
 
オーロラの撮影には、
できるだけ高感度、
しかも色をきれいにとらえる必要があり、
センサーには厳しい性能が求められます。
 
日進月歩のフルサイズセンサーカメラですが、
いまこの地球上で売られているカメラ機材で、
もっともオーロラを撮ってみたい、
もっとも「使える超高感度」を持ったカメラは?
 
すでに狙いはつけてあります。
 
このテストのために、
最有力候補の2台を購入しました。
 
そして、対決に負けた方はお別れとなります。
 
 
↑ 2019年頃の機材
 
今まで15年もCanonを使い続けた私にとっては、
今更、カメラメーカーを変更すると言うことは、
多くのレンズなども新規に購入することになり、大ごとです。
 
ですが、さらなるオーロラへの挑戦は、
今までの機材や方法では、もはや撮影の限界であり、
これからは、ダイナミックなオーロラをとらえるために、
より高いポテンシャルを求めなくてはいけません。
 
 
※ ・・・・・キャノンのフラッグシップ EOS-1D X Mark III と
ミラーレスEOS-R6のセンサーや映像エンジンは同等であり、
コストパフォーマンスの観点では、
オーロラを撮影するためにEOS-1D X Mark IIIを
入手する人はほぼ皆無と考えます。
根拠はありませんが Nikon D6も1D X Mark III同程度と予想します。
双璧だったNikonとCanonも、
超高感度特性のトップはEOS-R6を参考にすれば
判断できる考えです・・・・・ ※
 
 
事実上はこの2機種の対決です
 
SONYα7sIII vs Canon EOS R6
 
 
超高感度性能に特化、
明確なコンセプトで集中投資開発された最新鋭機
SONY α7s III
 
長年カメラ業界を牛耳ってきた
老舗メーカーの事実上の最高感度機種  
Canon EOS R6
 
どちらも実用感度はISO100,000(10万)までとされています。
 
有効画素数を比べると
 
α7s III 約1210万画素(驚くほど少ない!)
R6      約2010万画素
 
実はこの 有効画素数の違いだけで決着はついていると言えます。
 
いまだに一般には画素数が多いと
いいカメラだと勘違いされている方が多いのですが、
ダイナミックレンジという「色のきれいさ」の精度は、
画素数が多いと厳しくなってきます。
繊細な色を見極める能力は、画素数が少ないほど有利であり、
夜空、特にオーロラの撮影が目的の場合、
ダイナミックレンジを最優先したカメラを選ぶべきです。
 
例えばフラッグシップ機種
(そのメーカーの技術の結晶、最高スペックを持つ象徴機種)は
驚くほど画素数が少ないですが、ひとつの理由は、
ダイナミックレンジを軽視しないプロにとっては
ちょうどいい線なのです。
 
光が少ない時、暗闇を撮る時は、
圧倒的に画素が少ないほど色はきれいです。
 
オーロラのように、
星空にかすかに写るかどうかの繊細な光をとらえるには、
画素数が少ないほど有利になります。
 
有効画素数を比べると、
α7s IIIの方が暗闇に強いことが想像されます。
 
今時、α7sIIIの約1210万画素というのは、
「めっちゃ少ない!」と言われるほど少ないのです。
 
別な見方をすると、
「超高感度に全力を尽くすぞ!」という、
SONYの意地を感じさせる数字でもあります。
 
40年前のWalkmanに感じた、わくわく感すら覚えます。
 
一方EOS R6は、そこまで画素数を少なく出来ない、
する必要がないとしたのでしょう。
画素数信者を多く生み出してしまったメーカーとして、
今更裏切ることに抵抗があったものと想像します。
それと Canonは、超高感度特性はあまり重要視していないよう。
EOSシリーズではもっとも高感度を期待出来たR6でしたが、
EOS Rシリーズのベーシックな位置づけとして、
中途半端に大衆向けな存在となっています。
 
わかりやすくいいますと、
オーロラをアグレッシブに撮りたい・録りたいマニアには、
Canonにはわくわく機種が見当たりません。
 
前置きが長くなりましたが、
今回のテストの結果は、事前から有効画素数を見ただけで
決着がついており、テストの意義は、どの程度違うのか、
長年共にしたキャノンの最新センサーを
一応チェックする目的もありました。
(自分を納得させるのに、わざわざ購入したのですよ)
 
 
テストは、写真と動画、
ISO10,000(1万)
 〜100,000(10万)までの「超高感度領域」です。
 
ISO1万以下では、
それほど差を感じないだろうと考え省きました。
 
そして何より今回の目的は、
どの辺の高感度まで使えるか?を探るためです。
 
また、動画はモノになるのか?
 
・・・・・
 
テストは、厳正を期すために、
全く同じ被写体を、同じ条件で、同じSIGMA製レンズで撮影。
 
被写体は、わが家の壁のオーロラパネルがモデルですが、
夜、部屋が真っ暗になった際に、高演色ランプを間接的に灯し、
かなり暗い状態、ほぼ肉眼では何も見えない程に暗い状況下。
 
一言で言うと、真っ暗です。笑
 
実際のオーロラの現場でも、
これほどに暗い状況では撮影しないほどの暗さですので、
センサーテストにはあまりにも過酷ですが、
センサーの超高感度領域の差が出やすいことを狙っています。
 
↑ 明るいときに見たパネル。テスト時には、
人の目にはほぼ絵柄は確認出来ないほどに暗い条件で行いました。
 
 
 
 
ISO10,000(1万)〜100,000(10万)の間で、
感度ISOを1/3段ずつ増加させ、同じ露出(明るさ)にするために、
露出時間を1/3段ずつ減少させています。
見た目には同じ明るさが並びますが、
時事にノイズが増える様子を見ます。
(RAW撮影、オートホワイトバランス)
 
またノイズリダクションに関わる設定をすべてキャンセルして、
ネイティブな性能の比較に徹しています。
(カメラ側、レタッチ側も)
 
EOS R6から。
 
 
次にα7s III
 
両機種とも、感度を上げるにつれザラついて、
ノイズが多くなる様子がわかります。
 
両機種の比較のために、同じ場所を拡大します。
同じ感度同士での画質の違いを比べます。
 
 
ISO1万(一番上)においても、
すでに両機の間で画質の違いが顕著に現れています。
 
最も感度の高い領域では、差が開いています。
R6の方が先にノイズに支配され、
画像が破綻(画像として成立しない)していることがわかります。
 
 
ちなみに、
私が過去の機材(EOS-1D X、EOS-1D X Mark II)で、
オーロラ撮影で使用していたマックス感度は、
通常でISO8,000、
オーロラ爆発時で、より感度が欲しいときに
マックス1万と決めていました。
12,800より上の感度では、使いものにならない印象でした。
 
 
次は、別な部分の比較ですが、立体感、質感に注目です。
 
立体感や質感を比べて見ます。
 
感度が低い方では大差がないように見えますが、
オリジナルデータを拡大すると歴然としています。
(皆さんが閲覧されている状態で
どこまで表示されているかはわかりませんので、
私の印象を補足しておきます)
 
感度が上がるに従って、
繊細な濃淡が、ノイズに埋もれてしまい、
立体感を失っていくようすがわかります。
 
 
次は繊細な色を見極めるダイナミックレンジの違いを比較します。
 
 
あまり濃淡がなく、色も単一ですが、
微妙に違う部分を比較してダイナミックレンジを比較します。
 
正確な色の情報を持っていないところがノイズに現れます。
 
R6の方は1万(一番上)からすでに不快なノイズが感じられ、
α7s IIIの方は、R6に比べるとノイズはやや嫌みが少ない印象です。
 
R6の方がやや明るめに写りますが、
ノイズが目立ってきますので、使用できる感度は低めですね。
 
反面α7s IIIは暗めですが、より高感度でも彩度は失われにくい印象。
この点がオーロラ撮影では重要になってきます。
 
・・・
 
前にも述べたとおり、この実験は、
ほとんど人の目には見えないほど暗いものを撮影しています。
 
両機共に、これほどの高い感度でも、
カラーバランスは良好に保たれており、それは驚くほどです。
 
α7s IIIは画素数が少なく、ダイナミックレンジが優位で、
より高感度でも「使いものになりやすい」と言えます。
「見栄えが良い」印象。
 
 
次は・・・
 
両機がどれだけ感度を上げると「同等のノイズ感が生じるか」
 
両機において、同じくらいの画質(ノイズ)の画像を並べて、
ISOの違いを確認します。
 
言い換えると、両機に置いて、
どれくらいの感度まで使ってしまっても良いのか?の参考です。
 
以下は、私の主観で比べて並べていますが、
この作業を何度も繰り返して平均を見いだしています。
 
 
α7s IIIで ISO 20,000、R6が 10,000の時に同等に感じます。
(質感、ノイズ、画質)
 
3段ずれた状態で一致しているように思います。
1段は1/3絞り換算し、
3段ずれと言うことは 1絞り違うことになります。
 
 
さらに高感度です。
やはり3段ずらして一致するように見えますが、
感度が増すたびにR6の方がやや厳しくなっているでしょうか。
 
 
いよいよクライマックス、限界に挑戦です。
やはり3段ずらし(1絞り)ずらしています。
 
 
両機の間で露出を3段(1絞り)ずらしていますが、
この極超高感度領域ですと、ややα7s IIIの方が良好ですので、
この領域では4段、すなわち、
1絞り強、α7s IIIの方が勝っているように思えます。
 
たった一絞り程度?
それしか違わないの?
そう思われるかもしれません。
 
でも、その一絞りの違いは、
暗闇で動き回るオーロラを撮る時では雲泥の差となります。
 
 
♡ RAWデータのポテンシャルをチェックしました
 
オーロラの撮影は、
夜空という暗闇に特殊な発光体が光り輝くという、
広いダイナミックレンジが要求される被写体です。
 
RAW現像でバランス良く整え表現しなくてはなりません。
 
そのためRAWデータに求められるのは、
狭いレンジを人の目に見えるように
広いダイナミックレンジに戻す現像処理に耐えられる
奥深いデータを持っているかが非常に重要です。
 
わかりやすく例えますと・・・
満月の夜、
皆さんの目には月面のウサギの模様が見えると思いますが、
写真に撮ると真っ白。
地上の景色はある程度見えますが、写真では真っ暗です。
人の目はダイナミックレンジが広く、
写真は非常に狭いレンジを表現していて、
レンジの外は破綻(真っ白、真っ黒)しているのです。
 
オーロラの場合も同じで、
人の目には暗闇でも多少の景色が見え、
オーロラの輝きも繊細な濃淡が感じられます。
ところが写真にしてしまうと、景色は真っ黒、
オーロラはギラギラになりやすいのです。
 
この狭いレンジを、
人の目で見ているようなレンジまで広げてあげようとするには、
RAWデータを適切に現像する必要があります。
 
 
さてRAWデータを過激にいじって、耐えられるか?
ストレステストをします。
 
 
RAWデータの比較は、
ノーマル現像において、ほぼ同等の画質が得られるデータを、
同時に 粗が目立つような過激な設定のRAW現像処理を行い、
RAWデータの情報量と信頼性を体感します。
 
画質が破綻するほどに過激な設定を施し、
どちらが、どれほど持ち耐えるかを感覚的に比較します。
あらゆる設定を試し確認しました。
 
写真は、設定のほんの一例ですが、
これほどの過激な設定を施しても、
画像として破綻が少ない耐久性のある、
深度の深いデータだと実感します。
15年間にわたり、RAWデータを扱ってきた人間の主観です。
 
ハイライト部では、どちらもRAWデータの破綻の有無は感じにくい。
 
 
繊細なトーンの表現は差異が現れやすいですが、
α7s IIIの方がやや色を残しており、
頑張って耐えている感じがします。
 
少なくても、α7s IIIはR6には劣っていないと言えます。
 
・・・
 
実は過去に・・・
α7sIIIの前身である α7s IIをオーロラの実写で試したのですが、
RAWデータをチェックしたところ、
驚くほどダイナミックレンジが狭く、
またカラーバランスが著しく偏っているように感じました。
 
表現を変えると、
オーロラの緑しか感じていない、
画像の中に緑色しか存在していないような、
まるでjpg(カメラが自動的に決めた色で、表示するには問題ないが、
編集は厳しい)データを扱っている感じ。
 
この時、同時に使用していたCanonRAWのカラーバランスの良さは、
違う次元だと感じました。
この試写の結果で、
当時は超高感度向きと言われていたα7sIIは、
まだオーロラには使えるレベルではないと実感していました。
 
・・・
 
今回のRAWデータの実力ですが、
両機共に非常に優秀、
使いモノにならなかった1世代前のα7s IIのRAWデータは、
最新のα7s IIIにおいて、
一気にCanonに追いついた印象を持ちました。
(越した?)
 
○○○○○ まとめ ○○○○○
 
オーロラをよりアグレッシブに撮るという観点から、
超高感度を持つ2台の先鋭を比較しました。
 
SONYα7s III vs Canon EOS R6
 
オーロラ撮影で活用したい超高感度領域を、
実際のオーロラの現場より遙かに暗い過酷な環境で撮影、
ダイナミックレンジやノイズ、質感などを比較しました。
 
■ カラーバランス
両機種とも、超高感度領域において、
カラーバランスの崩れは感じられず非常に良好。
 
■ ノイズや立体感、微妙な色の表現(ダイナミックレンジ)
両機の間で1絞り強の差が感じられた。
(画素数の違いに相応すると思われる)
 
■ オーロラ撮影では、どれくらいの感度まで使えそうか?
 
現時点ではオーロラの実写は行っておらず、
実際に様々なオーロラを試してみないと判断できません。
また今回は使用していないノイズリダクションも
効果が期待出来ると思われ、
目的により話も大きく違ってきますので、
実際にいろいろと試してみないとコメントしにくいですが、
銀河撮影でも試した結果も加味すると、
ノイズや質感から これ以上は無理かなという線を探った結果、
現時点でマックスを設定するなら、
 
α7s III → ISO 25,600
 
EOS R6→ ISO 12,800
 
※ オーロラの明るさや、月明の有無で状況はかなり変わります。
 
(注意:どちらも実用感度は
ISO100,000(10万)までとされていますが、
それは光が十分にある場合であり、
極めて特殊な、ダイナミックレンジを要求される
オーロラの撮影には全く通用しません。
裏返しに言いますと、暗闇を撮影されない方には、
今回のテストの結果は何の参考にもなりません。)
 
写真のテストに続き、
4K動画の実写も比較しましたので、次で紹介したいと思います。
 
先に結果を言ってしまうと、大きな差がありそうです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
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「オーロラフルセットレンタル」では
オーロラを撮影するために必要な用品がそろっています
 
フルサイズセンサーのEOS-6D Mark II
画素数が抑えられているため
ダイナミックレンジに優れノイズが少なく
夜空、オーロラの撮影には最適です
 
またSIGMA 20mm F1.4 Art
大口径で明るく高画質で
ベストな組み合わせとなります
 
 
 
視度補正は必ず行ってください
ファインダーをのぞいてシャッターを半押しすると
各種設定の表示を見て視度補正のダイアルを回し
一番シャープに見えるポイントに合わせます
 
 
 
暗い夜空に繊細に輝くオーロラを撮影するためには
オート撮影はできません
 
撮影モード:M マニュアル
 
オーロラ撮影露出を決めるには
慣れないうちは ISOと絞りは変えずに
露出時間だけで決めるといいでしょう
 
目安としては
ISO :感度は6400 8000
絞り:開放 F1.4で固定
露出時間で調整
 
単純に撮影した画像の明るさを見て増減してください
(モニターやファインダーで)
 
 
夜の撮影は環境が暗いために
液晶の明るさを一番暗くします
 
 
 
撮影時に湿度が高い場合
たとえば秋の湖の湖畔
またはマイナス気温で長時間の撮影に及ぶ場合は
レンズの前玉のまわりにヒーターを巻いて
モバイルバッテリーから給電しあたためておくと
結露対策になります

 
 
 

最後に注意事項です。
SIGMA 20mm F1.4 Artについて
 
 
こちらのレンズは最初から
星空の撮影に最適なピントを合わせて
テープで固定しております。
 
なれない方の星空のピント合わせは
なかなか大変ですので
こちらの固定は外さないでお使いください。

 
 
 

 
 
 
このようなことありませんか?
 
 
 
レンズの結露です
 
 
 
 
 
 
 
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